< 弗素魚眼石 Fluorapophyllite >
[ Jalgaon District, Maharashtra, India.産 ]
(L:44mm × H:44mm)鉱物収集に目覚め始めた当初、まだミネラルショーにも未参戦で、ネットショップやオークションにも怖くて手が出せなかったチキンハート(笑)な私が鉱物標本を入手する主な手段は、隣の市にある「中津川鉱物博物館の売店」でした。
中津川鉱物博物館は数少ない鉱物専門の博物館で、その所蔵品は素晴らしいものばかりですが、残念ながら売店は非常に”こじんまり”とした規模であり、それほど数多くの標本を取り扱っている訳ではありません。それでも鉱物黎明期の私にとっては、とても眩しく輝いて見えていました。
今回の弗素魚眼石は、そんな時期に博物館の売店で購入したものです。
有名な(=よくある)Jalgaon産で、経験を積んだ今ならばミネラルショーの”ごちゃ混ぜゼオライト”の箱の中からO百円程度で掘り出せそうな気もしますが、その当時はそんな事など思いもよらず、今考えると少し割高な価格で購入したように思います。でも、その時は高いとは全然思っていませんでした。
その後、私の魚眼石コレクションはどんどん数を増していく訳ですが(汗)、そんな”魚眼石好き”の原点とも言えるのが、今回の標本のような気がしています。

ちなみに当時の私は、透明な結晶部分は水晶で、文字通り”魚の眼”のように白濁している部分だけが魚眼石だと思っておりました(汗) 透明結晶部分も全て魚眼石であることに気付いたのは、それからかなり経過してからだったと思います...。当時は”水晶も付いててラッキー”と無邪気に喜んでいたものですが、今となってはお恥ずかしい限りですね。

また、基部の大きな結晶部分にはクラックによる”虹”が見られます。透明水晶のくっきりと輝く虹もいいですが、うっすらと白濁した魚眼石の中にぼんやりと浮かぶ虹も、幻想的でいい感じだと思っています。